ワンストロークポジションについて

ワンストロークポジションについては、ハッスルズについてのページにて説明画像がありますが、このページでは、用法や特性などについてより詳しく説明していきます。これからコンビスクイジーが増えてくることも予想されますので、新製品を見て触って、どのような特性があるのかなどをご自身で理解される参考にしていただければと思います。

ワンストロークポジションでは、ブレードをスクイジーのお腹側(下の図、主にピンク色の領域)に配置しますが、どの位置に配置するかで使用感や、どのような使い方に向くかなどが変わってきます















                                          



















                                                              図1


 図1の右側は、上がパイプ径の太いもの、下が細いものとなります。ハンドル持ち手下部が、ガラス(青いライン)からどのくらい離れているかを見ると、上の太いパイプの方が、持ち手部分がガラスから離れています。下のハンドルでは、ハンドルの持ち手部分はガラスに近づいています。

 次に、ハンドルを近づけた場合の状態を図1を水平にした下の図で見てみます。(影は、上の図の状態となります。)   ブレードが支点となったシーソーのようになっていますが、ゴム側を基準に見てみると、サイズの太い方は、ゴム側が高く上がり、小さいものは高く上がらないことが分かります。

 ゴム側が高く上がれば、ブレードのみをガラスに接触させやすくなり、ウォッシング掛けと水切りを分けての操作が容易となります。反対にゴム側があまり高く上がらない場合は、ブレードとゴム側を同時に当てやすくなるため、同時カッパぎ操作がやり易くなります。言い換えるとゴム側が高く上がる場合は、操作中にゴムが浮きやすくカッパぎ残しが出やすいこととなり、反対にゴム側が上がらない場合は、ウォッシャーを強く押しあてずらく汚れが落ちにくいということになり、何回もガラス表面をなぞるように繰り返しカッパぐ必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

                                                   図2

 

次に図3にある垂直線ABと水平線CD交差する点をブレードの位置と見立て、ブレードの位置が、ABCDそれぞれのどの方向に近づくかで特性が違ってくるかを見ていきます。



















                                        図3

 

 *①②③のブレードの位置は、同じ垂直線上にあります。ハンドルをガラスに近づけた際、それぞれのブレードが、ガラスに接するハンドルの角度は同じとなります。

1、A方向

図2のシーソーの支点ということでみると、①よりA方向に近い②は、①よりハンドルに掛ける力を少なくゴム側を浮かすことが出来ます。言い換えればゴム側が浮きやすいこととなり、ハンドルをちょっとでも寝かす(ガラスに近づける)とゴムが浮き、カッパぎ残しが出てしまいます。この事は、ウォッシングと水切りを同時に行った場合に顕著で、操作は難しいといえます。他、ウォッシャーカバーの生地の厚さの違いにも敏感で、厚い生地ではより顕著に難しくなります。また、A方向に近いと、キメの際にチャンネルとサッシの間にウォッシャーが挟まり、上手くキメられなくなります。

 反面→ゴムが浮きやすいという事は、支点となるブレードは、ガラスから離れにくく、そのためウォッシャーをガラスに押し付けやすくなります。また、①に対して②では、ゴムとウォッシャーの間の隙間が少なく、ウォッシャーが掛からない空間が少なくなります。それにともないチャンネルから垂れる水も受けやすくなります。

2、B方向

②に対してB方向にある①では、支点となるブレードがゴム側から離れるので、ゴム側を浮かすのに①より大きい力が必要となりますが、ゴム側を浮かす浮かさないの力加減は容易となり、コントロールしやすくなります。ですのでウォッシャー掛けと水切りの切り分けの操作がやり易くなります。キメに関しても②より①の方がキメはやり易くなります。    

さらに①よりB側にある③では、上記が顕著なっていきますが、ゴム側が浮き難いということは、ハンドル側が浮きやすく、ゴム側に支点が移りやすくなります。そのためウォッシャーがガラスから離れやすくなり、ウォッシャーをガラスに押し付けるには、より意識をして押し付ける必要が出てきます。また、ゴムとウォッシャーの隙間は広くなり、ウォッシングが掛からない空間も大きく、相まって、チャンネルから垂れる水を受ける量も少なくなります。また、B方向に向かうほど、スクイジーをまわす際、サッシ際でブレード端部が、チャンネルより先にサッシに当たることとなり、サッシ際にカッパぎ残しが出てしまう。これを解消するためにはブレードを短くする必要が出てきます。キメに関しては、更にキメ易くなります。

 

3、C,D方向

CD方向では、図2で示した、シーソーの支点からハンドルまでの距離のこととなります。C側に寄るほど、ゴムがガラスから離れる高さが高くなり、D側に行くほどゴムがガラスから離れる高さが低くなります。C側に行くほど、ウォッシング、水切りの切り分けがしやすくなり、D方向は、ゴム側が浮きにくくなるので同時カッパぎ操作がしやすくなります。C側は、よれば寄るほどキメの際に邪魔になっていき、ブレードの長さは、B方向と同じでサッシ際で邪魔となり、ブレードを短くした方が良くります。反面、チャンネルからの水受けは良くなります。D方向は、C方向と逆となり、キメは決め易くなり、ブレードの長さも短くする必要がなくなっていくこととなります。

 

下の図は、パンサーとスタンダードブレードになりますが、図3で照らしてみますと、パンサーは①、スタンダードブレードは②の位置に近い感じとなります。(実際には、ウォッシャーが加わります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初期のスタンダードブレードは、ブレード形状と取り付け方法が先にありきで、配置できる箇所は限られていました。そのため、A方向よりの位置をD方向に下げたかったのですが、制約のためD方向に移動できず、カッパぎ残しが出やすく扱いずらいものでした。後々でウォッシャーカバーの仕様を変更することで改善されてきているのが現状です。

対してパンサーブレードは、ブレードを支える土台を持つことで、AB方向の配置に自由度が上がり、CD方向では、パイプの太さを変更することでCD方向に位置の違う(味付けの違う)ラインナップをすることが可能となりました。

下の図は、パンサーの10、9、8と見立てていますが、パンサー10に対して、9,8は、D方向を主に、B方向にも少し下がっています。9、8と下がるにつれ、同時カッパぎに向く傾向となりますが、キメもやり易くなります。このD方向に位置を変更することを、設計で変更するのではなく、パイプのサイズを変更することによって、D方向に動かしているのが、パンサーブレードのラインナップとなります。

また、お使いのブレードで、C方向にブレードをずらして、ウォッシングと水切りの切り分けを明確にしたい場合は、ブレードとハンドルの間に、ワッシャーやハッスル・バッファを挿入することでブレードをC方向に振ることが可能となります。

 

 

 

 

 

 

*パンサー12がワンストロークポジションに推奨されないのは、C寄りとなり、扱いやすくするためには、ブレードの長さを短くする必要があるためです。

*パンサーブレードをウンガ―エルゴテックハンドルに取り付けた場合、C側にかなり寄っていしまいます。これは、純正のバックプレート(チャンネルをハンドルお腹側から咥えて支えるパーツ)の高さが高く、もともとC側に寄っているためです。これをD側に寄せるためには、エトレのバックプレートを使用することでD側に寄せられますが、エトレのバックプレートには、爪付き(ゴム保持爪)と標準タイプの2種類があり、どちらもD側に寄り過ぎてしまいます。とくに爪が付いていない標準タイプは、ほとんどウォッシャーがガラスに当たらず、爪付きの方がまだC側に寄っていてウォッシャーが当たります。しかしそれでもウォッシャーは充分にガラスに当たらないため、これを解消するためには、ハッスルバッファやワッシャー等をブレードとバックプレートの間に挿入することで、ブレードをC側に振ることが出来き、ウォッシャーがガラスに近づきます。足りなければさらにワッシャー等を増やし、良いセッティングを見つけて頂く感じとなります。

エルゴハンドルとパンサーブレードでのワンストロークポジションの組み合わせは、今後の製品の開発の課題としておりますが、現状は、この方法で対処して頂くこととなります。

 

 

以上で、図1のピンクの領域の何処に配置するかでの傾向の違いとはなりますが、他にウォッシャーカバーの生地の違い、取り付けるハンドルメーカー、種類にも影響を受けますので、より、ご自身の好みに合うようにして頂く参考として頂ければと思います。

メーカーやハンドルごとによってスクイジーの傾向の違いを次のページで載せていますので、ご興味がございましたらご覧ください。